シバターが引退宣言ーYouTubeの規約改定とは

2019年7月15日「シバター」(登録者数103万人)が「YouTubeが悪口禁止に。引退します。みなさんさようなら」という動画を公開しました。

悪口禁止で引退?

シバターは「6月にYouTubeの規約が更新され、炎上とか悪口がダメになった」、「炎上を招く、他者を侮辱するコンテンツ」と「個人もしくはグループに対する嫌がらせ、威嚇、いじめに当たるコンテンツ」には広告が付けられなくなったと語りました。

これに対してシバターは

好きなことで生きていくとか煽っといてさ、YouTubeがさ。
じゃあ人の悪口が好きな人はダメなの? 生きていけないの?

人が不幸な目に遭うと俺はすごいうれしくなるんだけど、だから悪口は俺にとってほんとに必要なものだし、人の悪口でしか満たされないから、そんな人がYouTubeでお金稼いじゃいけないのかな? ひどいよね。
人をけなす自由を俺から奪うなんて、俺からだけじゃなくみんなから奪うなんてひどいよね。

と不満を漏らしました。

炎上や悪口が禁止ということであれば、シバターはじめ、「よりひと」(登録者数70万人)など、YouTube上で1ジャンルとなっている“物申す系”YouTubeにとって大打撃となります。

実際にはポリシーに変更はなし

シバターが今回言及したのは「広告掲載に適したコンテンツのガイドライン」。
内容を確認すると、

2019 年 6 月更新: 広告表示が制限される、または広告が表示されないコンテンツの例を増やしました。ポリシーに変更はありません。そのため、広告掲載に適した動画の審査方法もこれまでと変わりません。
YouTubeヘルプ

とあります。

シバターが言うように、6月に掲載内容は更新されていますが、「ポリシーに変更はありません。」と記載されており、ポリシーの中身そのものは従来と変わっていないようです。

タバコ・銃に関する制限が項目化

現在、広告が非表示になったり、制限されたりするトピックとして掲載されているのは、以下の11項目です。

・不適切な表現
・暴力
・アダルト コンテンツ
・有害または危険な行為
・差別的なコンテンツ
・炎上目的、侮辱的
・危険ドラッグや薬物に関連するコンテンツ
・タバコに関連するコンテンツ
・銃器に関連するコンテンツ
・物議を醸す問題やデリケートな事象
・家族向けコンテンツに含まれる成人向けのテーマ

変更前の比較すると以下のとおりです。

変更前 変更後
物議を醸す問題やデリケートな事象 同じ
薬物、危険な製品あるいは危険な物質 危険ドラッグや薬物に関連するコンテンツ
有害または危険な行為 同じ
差別的なコンテンツ 同じ
不適切な表現 同じ
家族向けキャラクターの不適切な使用 家族向けコンテンツに含まれる成人向けのテーマ
炎上目的、侮辱的 同じ
性的内容を示唆するコンテンツ アダルト コンテンツ
暴力 同じ
タバコに関連するコンテンツ
銃器に関連するコンテンツ

※「変更前」は6月12日時点の掲載内容

表現が変わっている項目があるのと、タバコと銃器に関する項目が追加されていることがわかります。

ポリシーに変更はないということですので、新しい2項目は別の項目から独立させたのかもしれませんが、タバコに関しては、「薬物」や「危険な物質」と解釈するのは難しいので、追加されたと考えてもよいかもしれません。

項目はより具体的に

問題の「炎上目的、侮辱的」の中身を見てみると、変更前は

不当に炎上を招く、扇動する、または他者を侮辱する動画コンテンツは広告掲載に適していません。たとえば、個人や集団を辱めたり侮辱したりする動画コンテンツは、広告掲載に適していません。

となっていました。

変更後は、冒頭の文章は同じです、内容がより細かくなっています。

YouTube

別のページでは「冒とく的な表現」があった場合、広告掲載ができるのかどうかが3段階の例で示されています。

YouTube

というわけで、炎上狙いや侮辱コンテンツは以前からダメだったということなので、今回の変更自体の影響はなさそうです。
シバターもわかっていてこのような動画を出したのではないでしょうか。

ただし、例示された文章だけ見ると、シバターに限らず、“物申す系”YouTuberの多くの動画は該当するとも考えられ、単に今まで適用されこなかっただけという見方もできます。
「侮辱」や「攻撃」なのか「批判」や「批評」なのかも判断が難しく、結局YouTubeの胸先三寸といったところかもしれません。

2月には「コレコレ」(登録者数96万人)に対してGoogleが圧力を掛けたという情報もあり、ガイドライン以外にも何らかの制約を受ける場合もあるようです。
(関連記事「人気YouTuberの動画大量削除、Googleジャパンの圧力か」)

果たして“物申す系”YouTuberの今後はどうなるでしょうか。

2019年7月17日追記
YouTubeが、YouTuber間の迷惑行為について規制対象とする方針と発表しました。
(関連記事「物申す系は終わるのか。YouTuber間の迷惑行為規制へ」)