マックスむらいにインタビュー YouTubeの今後とは?

2013年からYouTuberとして活動を開始、1年弱でチャンネル登録数100万人を突破した「マックスむらい」(登録者数155万人)は、2008年のiPhoneリリース直後に、iPhone情報サイト「AppBank.net」などを運営するAppBankを設立し、2015年に株式上場も果たしたビジネスマンでもあります。

常に時代を先取りしてサービスを展開してきたむらいさんに、YouTubeの今後について、また、自身が経営するAppBankの状況について伺いました。

※当インタビューは2019年8月3日、デジタルハリウッドSTUIO姫路校が主催する「クリエイターズミーティングVol.5【マックスむらいがやって来る!】」で行ったものです。
イベントの詳細については、「マックスむらいの動画企画を体験!イベントレポート」でご覧ください。

YouTubeの覇権はこの後3~4年は続く

インタビューに先立って行われた講演の中で「YouTubeの覇権はこの先少なくとも3~4年は続く」と語ったむらいさん。
最近YouTubeは、過激なコンテンツや悪意のある表現などに対して、一段と規制を強めており、一部では、こうした規制強化によって、クリエイター離れが起きるのではないかと見る向きもあるようです。
そこで、インタビューの冒頭、まずこの件についてあらためて質問してみました。

むらいさんは「YouTubeは当面“王者”だと思います」と即答。

収益性の高さがヤバすぎます。
現時点では、クリエイターの立場でYouTubeを外して活動する理由が皆無だと思いますよ

むらいさんは、YouTubeの世界はまさに「クリエイター・イズ・キング」、つまり、クリエイター中心に作られたサービス構造なのだと説明します。

さまざまな番組にたくさんの視聴者がついているテレビですが、その世界はクリエイター(制作会社など)中心というよりむしろ「プラットフォーム・イズ・キング」。

番組は、電波を割り当てられた放送局が持つ枠内でのみ制作され、その枠に対して広告主が支払った広告料は放送局に入ります。
こうした構造ゆえ、クリエイターが得る収益がごく限られたものになることは明らかです。

株式会社YouTube?

一方YouTubeは、クリエイターに直接支払われる収益がとにかく大きいのだといいます。
むらいさんによれば

クリエイターはみんな『株式会社YouTube』に所属しているようなもの。
私の中では、会社から直接『給料』(広告収入)をもらって、活動を支援してもらっている感覚です

とのこと。

でもそれは、YouTubeの権限が大きすぎて、クリエイターが翻弄されてしまうということではないでしょうか。
そのまま疑問をぶつけてみると、むらいさんはこう答えます。

それは当たり前です。だって“社員”ですから。
そこに文句を言っているようでは何の活動もできませんよ。
日本より、広告主の出稿基準がもっと厳しい国がたくさんあるんです。
YouTubeがコンテンツに対する規制を強化するのは、彼らのビジネス拡大を考えると全うな話です

クリエイター以外いらない

今や有名YouTuberの多くが事務所に所属するようになりました。でも、むらいさんによれば

YouTubeからクリエイターに支払われる収入が大きすぎるので、事務所に所属することのメリットは限定的ではないか

といいます。

事務所とマネジメント契約を結んだYouTuberは、インフルエンサーとして企業のPRに貢献してそのギャラが支払われる“企業案件”を受注できるなど、YouTubeの広告収入以外の収入を得られるなどのメリットがあります。
しかし個人でそれができるのであれば、必ずしも事務所に所属する必要はなさそうです。

実際、「すしらーめんりく」(登録者数431万人)が事務所への所属ではなく、自由度の高いエージェント契約をしたと発表しています。
(関連記事「すしらーめんりく、新事務所との契約を発表」)

「YouTubeは将来的にはクリエイター以外いらないと考えるのではないか」とむらいさんは言います。

Googleが本来そういう会社なのだと思います

むらいさんが例に挙げたのがGooleアドセンス。
自分のウェブサイトに広告を掲載することができるサービスですが、代理店などがかかわらなくてもウェブサイト運営者が自身で収益を上げられるようなアップデートを繰り返しているということです。

Googleが本来、ユーザー、クリエーターが直接収益を上げてほしいと考えている会社ですから、傘下にあるYouTubeもそういう傾向はどんどん強くなっていくのではないでしょうか(むらいさん)

TikTokはかっこいい

若者を中心に急速に支持を広げているTikTok。
むらいさんは、動画プラットフォームの王者は当面YouTubeであり続けるとしながらも、TikTokのビジネスは「かっこいい」と言います。

「クリエイター・イズ・キング」のYouTubeに対して、TikTokは完全に「プラットフォーム・イズ・キング」。
クリエイターは広告をコントロールすることができず、「おすすめ」に載せてもらうことを期待している。
クリエイターがプラットフォームに完全に支配されている世界なので、「ビジネスはやりやすいかもしれない」とむらいさんは分析します。

AppBankの今後は・・・?

最後に自身が取締役CCOを務めるAppBankについて伺いました。
AppBankは、2015年12月に経理担当の役員の横領事件が発覚。
これによって炎上騒ぎが起こり、会社の売上が減少し、その後も3期連続の赤字を計上しています。

とりあえず黒字を目指すしかない

とむらいさん。
現在は、現場に戻って既存事業のテコ入れに汗をかいているそうですが、クリエイターと事業経営を両立することの難しさを実感しているとのこと。

そんなむらいさんが掲げるテーマが「脱マックスむらい」。
マックスむらいなしでも、事業や会社の運営するさまざまなチャンネルが成立することを目指しているそうです。
ただ、先日占い師にみてもらったら「2023年まではマックスむらいがきちんとやるように」と言われたとのこと。
当面はマックスむらいチャンネルから「マックスむらい」がいなくなることはなさそうですが、いつかその日が来るのかもしれません。

関連リンク

マックスむらい(YouTube)
マックスむらいの動画企画を体験!イベントレポート(ユーチュラ)
マックスむらい(ユーチュラ)
デジタルハリウッドSTUDIO姫路校
・「ドッキリの裏側」(デジタルハリウッドSTUDIO姫路校ブログ)