「首里城を燃やしたのは、僕です」どうして不謹慎なYouTuberたちはいなくならないのか

2019年10月31日未明に、沖縄県にある世界遺産「首里城」の正殿など7棟が全焼しました。

現地メディアによると、首里城では27日から琉球王国時代の儀式を再現する『首里城祭』が開催されており、火災のあった31日未明までその準備が行われていたようですが、詳しい出火の原因は現在も判明していません。

「首里城を燃やしたのは僕です」名乗りを上げるYouTuber

沖縄県民をはじめ、日本中の人々がショックを受けた今回の事件。

現在まで出火の原因が判明していないのをいいことに、さまざまなYouTuberが炎上、再生数稼ぎを狙って「放火したのは僕です」と名乗りをあげています。

近藤チャンネル(登録者数3,300人)

「沖縄の首里城を燃やしたのは僕です」。
この動画は30日5時頃に投稿され、その日の昼頃には削除されましたが、ネットニュースやテレビなどで報道され、大きな話題となっています。

Tomoreともーれ(3,100人)

「沖縄の首里城の放火は嬉しい!!!ありがとう!!!!【世界遺産、ありがとう、火災と放火、ハロウィン、Helloween、イタズラ、火事、火災と通報、修学旅行、首里城全焼)」【低評価率98.4%】

Kakezou Channeru(2,300人)

「沖縄の首里城を燃やしたのは僕です。」【95.7%】

彼らが実際に放火を行ったかどうかはわかりませんが、過去にも炎上を狙った動画を多数投稿しているところを見ると、その可能性は限りなく低いと言えるでしょう。

これらの動画には「不謹慎」「ネタでもやっていいことと悪いことがある」といった批判コメントが殺到、低評価率も軒並み高くなっています。
またこれら以外にも、自身が首里城を燃やしたとする人物や、こういった投稿を批判する動画が多数投稿されており、首里城の炎上は日本のYouTubeの中で一種の“トレンド”状態となっています。

首里城炎上で「10万稼いだ」

どうして、このような動画がYouTubeに投稿されるのでしょうか。
背景には、再生数さえ稼げれば収益が発生するYouTubeのシステム上の問題があります。

良くも悪くも再生数がものをいうYouTubeの世界では、内容にかかわらず、再生数さえ稼げれば収益が発生します。
中でもてっとり早く視聴者や世間の注目を集めるのが炎上ネタで、動画のタイトルや中身が不謹慎であればあるほど、視聴者が食いつく傾向にあります。
動画を見た視聴者やYouTuberが動画を批判することで、結果として動画の拡散に一役買ってしまっている、なんてことも多々あります。

実際、首里城炎上に関連した動画を投稿し続けている「ともーれ」は別の動画で

首里城が10万再生いって、収益10万行きました

と話しています。
動画が10万回再生されたからといって収益が10万円分発生するというものではありませんが、この動画によって収益が発生した可能性は十分にあります。

炎上商法はなくならないのか

こういった炎上商法をなくすことはできないのでしょうか。

弁護士の若狭勝氏は、11月1日に放送されたフジテレビの朝のニュース番組「とくダネ!」にて、こういった動画を投稿した人物を逮捕することはできないのか問われ、

必ずしも罪に問われるということではないが、あえて言うなら軽犯罪法違反。
人の業務をいたずらで妨害すると(軽犯罪法違反に問われる)。

と話しました。
動画を投稿しただけで罪に問うことは難しいようです。

しかしながら、YouTubeは規約に違反する動画や、その投稿者に対して収益化の停止などの措置を取ることがあります。
YouTubeは「嫌がらせ」や「なりすまし」といったコンテンツを投稿することを禁止しているため、炎上商法を目的とした動画が報告されれば、YouTubeの運営によって何らかの対処がされるでしょう。

そして、視聴者である我々がとることのできる最も良い手段は「動画を再生しない」「見ても反応しない」ということ。
こうして収益も発生せず、誰も見向きもしなくなれば、このような不謹慎な動画を投稿する人も減るでしょう。