YouTuber起用で880万円。
神奈川県のコロナ対策PR動画に疑問の声、知事は波及効果主張

神奈川県の公式YouTubeチャンネル「かなチャンTV(神奈川県公式)」(登録者数2.3万人)にて、県の新型コロナウイルスへの感染対策のPR動画が公開されました。
(参考:神奈川県ホームページ「人気YouTuberによる「感染防止対策取組書」のYouTube動画を公開します!」)

“若者に人気YouTuber”2名が起用されたこちらの動画について、神奈川県の黒岩祐治知事によると、制作費用は880万円とのこと。
視聴者からは起用したYouTuberや費用の妥当性などに対して疑問の声が上がっています。

県の新型コロナ対策をPR

2020年8月26日、神奈川県の公式YouTubeチャンネルにて動画「神奈川県で彼女?1万円企画して色々満喫してきた」が公開されました。

この度、若い世代に人気のあるYouTuberを起用して、「感染防止対策取組書」の取組を分かりやすく解説した動画を制作し、配信しますので、お知らせします。(神奈川県ホームページ

若者に人気のYouTuberとして起用されたのは、大食い企画で人気の“イケメンモッパン系YouTuber”「かの/カノックスター」(登録者数97万人)と、モノマネ系YouTuberの「たすく」(同10万人)。
横浜中華街の飲食店を舞台に、2人の定番コラボ企画でもある「かのの彼女」と「1万円企画」の撮影がおこなわれ、店内に設置されたアクリル板や手指の消毒といった感染対策への取り組みが紹介されました。

フェイスガードを「面白いやつ」

若者に人気のYouTuberを起用しただけあって、こちらのPR動画も非常にYouTuberらしい動画に出来上がっています。

冒頭で飛沫防止用の「フェイスガード」を、

(かの)面白い、よくわかんないの付けてるじゃんこれ。
(たすく)お面?
(かの)お面じゃない、面白いやつ。なんかコレ、新アイテムの「フェイスガード」っていうらしい。…フェイスガードっていう割には、口しかやってない。ふふふ。

と紹介すると、神奈川県の提供するLINEコロナお知らせシステムを「やったほうがいいよ」、登録して通知が来ると「誘ってきてるね」とコメント。
県のPR動画ながら「モノマネYouTuberのたすくでーす。チャンネル登録してね」と自身の宣伝をするシーンもありました。

YouTube

制作費用は880万円

20代などの若い世代を中心に、新型コロナウイルスへの感染が拡大している神奈川県。
そういった背景を受けて黒岩知事は25日の記者会見で「若い世代の感染拡大対策取組書の認知度をさらに高めていく必要がある」と、動画の必要性を訴えていました。

ただし会見の中では、わずか14分の動画の制作に880万円という多額の税金が投じられたことも明らかにされ、記者から疑問の声が相次ぎました。

登録者数根拠に「波及効果ある」

黒岩知事は多数のYouTuberの中から「かの」と「タスク」を選んだ理由について、

フォロワーが多くて、多くの視聴が期待できるというところを判断基準として選びました。

特に神奈川県出身ですとかそういった関係はないんですけど、視聴率も非常に高いので…そういうYouTuberであったということです。

と、フォロワー(登録者)数を参考に選んだことを明らかにしました。
別の記者からは、880万円という費用の妥当性についての質問もされましたが、わずか数秒のCMに数千万から数億円の資金が投じられることもあるとして「費用って問題で考えるのは難しい」としたほか、

これだけのフォロワー数をお持ちのお2人がですね、こういった趣旨に賛同してやっていただくという中で、相当な波及効果があると期待しております。

と、こちらも登録者数を根拠に「波及効果がある」と主張しています。

ただし動画の必要性を訴える一方で、目標再生数についての質問については

特に目標はないんですけど、1人でも多くの方にご覧頂きたいというふうに思っています。

結果論ですね。結果に対して、我々は責任を取るといったところです。

として、具体的な目標数値の提示は避けました。

再生回数の目標は示さず

動画は26日19時頃に投稿されたこちらのPR動画ですが、翌日の27日15時までの再生回数はわずか1800回足らずに留まっており、高評価率は70.4%(高評価57、低評価24)となっています。

かののYouTubeチャンネルで公開された「かの故郷に帰ります」(内容は同じ)については、同時刻までの再生回数は14万回。
こちらは高評価率98.1%(高評価3900、低評価75)と高い評価となっていますが、視聴者からは「この動画が880万円もかかってるとは思えない」「税金の無駄や」といった声も上がり始めています。