YouTuberが広告案件で注意すべき法律
宣伝なら“個人の感想”もNG!?【弁護士が解説】

YouTuberやインフルエンサーの人は、知名度が上がってくると企業から自社商品をPRしてほしい・プロデュースしてほしいという依頼案件が舞い込んでくる場合もあると思います。

「念願の企業案件…!せっかくだから多くの人に商品をアピールしたい!」と意気込んで宣伝するあまり、うっかり法律の落とし穴にはなってしまうことがあるかもしれません。

今回は、化粧品や美容サプリメント商品を具体例に挙げて考えてみたいと思います!

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薬機法の観点からの検討

この法律の正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。
昔は薬事法という名称で呼ばれていました。

この薬機法には、商品の広告に関するルールが定められています。
これは、商品を作って宣伝したい企業だけではなく、YouTuberやインフルエンサーによる発信もその対象になるので注意が必要です。

この法律で把握しておきたいポイントは、PR商品に関して嘘をついたり、消費者が誤解を招いてしまうような大袈裟な表現をしたりしてしまわないようにすることです。
具体的どのような表現をしてしまった場合に“誇大広告”となってしまうかについては、国が適正広告基準を定めています。
(参考:厚生労働省

禁止事項が非常に細かく決まっているので、PRする商品が「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」「医療機器」のどれに該当するのか、動画内での自分の表現が禁止事項に当てはまっていないかチェックすることが大事です。

特に、商品を使用したことによる効能・効果に関しては、大袈裟な表現にならないように細心の注意を払わなければいけません。
たとえば、許されている表現方法と異なる言葉を用いたり、その商品を使用することにより劇的な変化をもたらすことを保証するような表現を用いたりすることは許されません。

なお、虚偽または誇大な広告をしてしまった場合は、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその両方という大変重い刑罰が待っています。
犯罪行為に該当してしまう可能性もあるので注意しましょう!

消費者としての個人的な感想をYouTubeにアップするのはいいの?

よくテレビCMでも「※個人の感想です。」「※使用者の体験談です。」と注意が記載されている場合がありますが、“あくまで消費者としての意見・感想ですよ”というスタンスであれば100%大丈夫、というわけではありません
たとえ個人の感想のような表現をしている場合でも、消費者に誤解を与えてしまうこともあるからです。

もちろん、商品を販売している企業から依頼を受けていない場合は「広告・宣伝」には該当しないので、いわゆる純粋な商品レビューをYouTubeにアップすることは問題ありません。

しかし、企業案件であるにもかかわらず、たとえば「○○社の美容クリームを使ってみた」などの動画をアップし、その中で大袈裟な表現を用いてしまう場合は、たとえ個人の感想のような表現であっても「誇大広告」に該当するおそれがありますし、後述するステルスマーケティング注意喚起のガイドラインなどに違反してしまう場合もあります。

その他に注意すべき法律など

今回は化粧品や美容サプリメント商品を例に挙げて、薬機法の誇大広告規制を具体的に解説させていただきました。
しかし、これに該当しない場合であっても、取り扱うPR商品や企業案件の契約内容によっては、景品表示法や、健康増進法、ステルスマーケティング注意喚起のガイドライン(参考:WOMマーケティング協議会)など他のルールも細かくチェックしなければならない場合があります。

YouTubeやSNSにより、個人でも簡単に商品にPRが可能となった反面、上記のようなルールを知らないまま情報を発信する人が増えてきてしまいました。
あとで大きなトラブルにならないよう、事前に弁護士などの専門家に相談することをオススメします!

弁護士 北川貴啓

慶應義塾大学法学部卒、明治大学法科大学院卒、神奈川県弁護士会(川崎支部)所属

■メディア実績
日本テレビ「実は私こういう者でして…」、フジテレビ「バイキング」、テレビ朝日「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」、TBS「ゴゴスマ」ほか多数

YouTubeチャンネル「SNS弁護士キタガワ」
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