「台湾」発言のVTuber、3週間の謹慎を発表。
事務所は中国支持で炎上

VTuber事務所「ホロライブ」を運営するカバー株式会社は、2020年9月27日、所属タレントの「赤井はあと」(登録者数58万人)と「桐生ココ」(同64万人)が3週間の活動自粛をすると発表しました。

配信内で「台湾」と発言し、中国の配信サイトからBANされる

9月24日、赤井はあとがYouTubeで生配信を実施。自身のチャンネルの視聴者数の割合を紹介し、その中で「台湾」と発言しました。

すると、中国人ユーザーの間で、赤井が日本とアメリカと並べて「台湾」の名前を上げたことに批判が続出。
SNSや動画のコメント欄に多くの批判コメントが寄せられ、中国の動画配信プラットフォーム「bilibili(哔哩哔哩)」では、赤井のライブ配信の権限を剥奪する措置が取られました。

さらには、翌日の25日朝、同じくホロライブに所属する桐生ココも配信内で「台湾」と発言。
赤井と同様bilibiliでの配信権限が剥奪されることとなりました。
(関連記事:VTuber赤井はあと&桐生ココ、「台湾」発言で中国のbilibili動画からBAN

「ホロライブ」運営のカバー株式会社、VTuber2人の3週間謹慎処分を発表

一連の騒動を受け、カバー株式会社は9月27日、「弊社所属タレントの配信内の一部言動に対する問題につきまして」を公開。
赤井はあとと桐生ココ両名に対し、「3週間タレント活動の自粛」処分を下すと発表しました。

カバー株式会社は、

機密事項である自身のYouTubeチャンネルの統計データの開示および2次利用を実施していたこと、およびその内容について、一部地域に在住の方に対する配慮に欠けた発言があったことを確認いたしました。

とコメント。
カバーは、「故意ではなく当人達の意図していない状況」とは認めつつも、

公にしていない情報の開示やナショナリズムの配慮に欠けた言動など、
弊社のガイドラインや契約内容に違反する内容の行為であったことは事実

であり、「自覚と責任に欠けた行動」として活動自粛を決めたとしています。

これを受け、赤井と桐生もそれぞれの謹慎処分を受けたことをツイートしました。

中国語の声明も発表

28日13時現在、カバー株式会社の謹慎処分の発表ツイートは1万リツイート以上されており、世界中の視聴者から意見が寄せられています。
中でも「政治問題を持ち込むな」「重すぎる処分と感じます」といった、VTuber達が謹慎するきっかけとなった中国やカバー社への批判が続出しています。

ちなみに、赤井と桐生が「台湾」と発言したのは、YouTubeのアナリティクスに台湾が「国」として表記されていたからであり、YouTubeの仕様上の問題とする指摘も。

ホロライブは、自社サイトで発表したものとは別の声明文をbilibiliのサイト上で投稿しており、
これがさらに波紋を広げています。(参照:bilibili動画

声明文には、

COVER 始终尊重中国主权和领土完整,尊重《中日联合声明》以及《中日和平友好条约》, 坚决拥护一个中国原则。

とあり、日本語訳すると

COVERは一貫して中国の主権と領土の完全性および「日中共同宣言」と「日中平和友好条約」を尊重し、あくまで1つの中国の原則を支持します。

となります。(ユーチュラにて翻訳)

カバー社は中国支持で炎上

ちなみに、「日中共同宣言」には、

三 中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。(外務省

と書かれています。

つまり日本政府は、中国の「台湾は中国の一部」とする立場をあくまで「理解し、尊重」しているだけであり、「1つの中国」を「支持」しているわけではないということです。
このことから、カバー社の声明文はかなり中国政府側に傾いたものであることがわかります。

この声明を受け、台湾をはじめ世界各国から批判の声が殺到。
日本からも「カバーがこんなゴミ企業だとは流石に思わなかった」「台湾の人と真っ向から対立するのね、アホだわ」といった批判の声があがっています。

ちなみに、2019年8月、スポーツ用品メーカー「アシックス」が香港と台湾をそれぞれ1つの国扱いしたことで炎上しました。
その際アシックスも「一つの中国原則を支持し、香港・台湾が中国の領土の不可分の一部であることを支持する」と表明しています。

そのほか、アパレルブランド「ヴェルサーチェ」や「コーチ」も同様の騒動を起こしており、
いずれも「1つの中国」を「支持」するとして謝罪しています。

 
関連リンク
・外務省「日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明」(日中共同宣言)
・外務省「日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約」(日中平和友好条約)
・Record China「アシックスも謝罪、香港など「国扱い」で炎上―中国メディア
・WWD「『ヴェルサーチェ』『コーチ』『ジバンシィ』が中国で次々と炎上 台湾や香港の扱いを巡って謝罪