「フリート」や「ストーリーズ」の転載は法律違反?
【弁護士が解説】

―先日、インスタグラムのストーリーズにアップした画像を、他人が無断でスクリーンショットし、匿名掲示板に載せてしまった行為についての判決が出ました。
(参照:https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/732/089732_hanrei.pdf

判決では、投稿後24時間で自動消去される前提でストーリーズに画像をアップロードしているので、継続して匿名掲示板に公開されることは著作権・肖像権の侵害にあたる、と認定されましたね。
通常の投稿ではなくストーリーズに投稿した、という点を裁判所は重視して判決を下したようです。

―まず、著作権と肖像権の違いについて教えてください。

著作権というのは、写真や映像、文章などの作品(著作物)に発生する権利です。
その作品は、作者(写真を撮った人や文章を書いた人)に無断でコピーしたりネットにアップロードしたりすることができません。
他方、肖像権というのは、自分の姿(顔や身体)を勝手に他人に利用されない権利です。
著作権侵害は犯罪行為になりますが、肖像権侵害は犯罪にはならず、民事責任(慰謝料支払など)を負うにとどまります。

フリートの無断転載もアウト?

―最近登場したツイッターの「フリート」や、YouTubeでも、「ストーリー」や「ショート動画」、文章の「投稿」など、さまざまな機能がありますが、これも判決と同じ考え方になるのでしょうか。

基本的にはそうなると思います。
そもそも、他人の画像や映像、文章などを勝手にスクリーンショットして、その画像などを無断でネットにアップロードする行為が著作権侵害になってしまいます。
ですので、軽い気持ちでスクショして無断アップロードすることは控えないといけません。

受忍限度を超えているかどうかで判断

―なるほど、今回取り上げた裁判例では一般の方が被害者となっていますが、たとえば芸能人や有名YouTuberが写っている画像や映像をスクリーンショットして、ネットに無断アップロードするのも肖像権侵害になってしまうのでしょうか。

その可能性は十分あります。
肖像権侵害になるかどうかは、①被害者の姿がハッキリ写っているか、画像のメインとして写っているか、②拡散されやすい場所に公開されているかどうか、③被害者の精神的ダメージが大きいかどうか(一般人か有名人か、建物内なのか公道なのか)など、具体的事情を総合的に考慮し、受忍限度を超えているかどうかで判断していきます。
たとえ有名YouTuberや芸能人であっても、まさかプライベートな場面を勝手に撮影されてネットにアップロードされるのを許しているとは考えにくいですよね。
その場合には、肖像権侵害になりやすいと思います。

アーカイブに残さない場合でも注意すべき

―今後、YouTuberが画像や動画をアップロードする際に注意すべき点はどんな点でしょうか。

今回の裁判例では、著作権侵害や肖像権侵害が認められましたが、同様の事案であっても必ずしも同じ結論になるとは限りません。
また、今回裁判例では運良く加害者を特定できていますが、弁護士費用として少なくとも数十万円はかかりますし、弁護士に依頼したとしても加害者を特定できずに終わってしまうケースも見受けられます。
ストーリーなどの短時間で自動消去されるものや、ライブ配信などでアーカイブに残さない場合であっても、視聴者にスクショされる余地を与えてしまっていると自覚して注意深く発信したほうがいいです。
「後で残らないから過激な投稿をしちゃおう」と安易に考えると、取り返しのつかない大炎上の被害に遭ってしまうかもしれません。
もし拡散されてしまった場合には、弁護士などの専門家に相談をするようにしましょう。

弁護士 北川貴啓

慶應義塾大学法学部卒、明治大学法科大学院卒、神奈川県弁護士会(川崎支部)所属

■メディア実績
日本テレビ「実は私こういう者でして…」、フジテレビ「バイキング」、テレビ朝日「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」、TBS「ゴゴスマ」ほか多数

YouTubeチャンネル「SNS弁護士キタガワ」
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