ワタナベマホトが釈放された理由は?
【弁護士が解説】

2021年4月2日、「ワタナベマホト」が警視庁湾岸署から釈放されました。この処分に関して疑問を感じている視聴者も多いようです。
(関連記事「ワタナベマホトが釈放される」)

この件について「SNS弁護士キタガワ」こと、弁護士の北川貴啓氏に取材しました。

釈放までの経緯

―今回の釈放について北川先生はどのように考えているのですか。

私も今回の処分については驚きました、これまで聞いていた一部報道の情報から考慮すれば、起訴される可能性も十分にあると思っていましたので。
ですので、あくまで私の推測になってしまいますが、今回の釈放処分の理由について解説してみたいと思います。

釈放までの流れを整理すると、次のようになると思います。

3月8日に検察官送致がされた場合、裁判所は(検察官の請求により)最大で20日間の勾留(身体拘束)が可能となります。

すなわち、勾留期限は4月6日までだった可能性がきわめて高く、検察官はその日までに被疑者を起訴するのか、釈放するのか等を判断すれば十分だったわけです。

ところが、4月2日時点で釈放(=これ以上は勾留する必要がない)と裁判所が判断したことになります。
これはおそらく、担当弁護人の尽力が大きいのではないかと考えています。

被害者との示談が成立した?

私が真っ先に思い付いたのは「被害者との示談が成立した可能性があるのではないか?」という点です。

被害者との示談が成立した場合、検察官は「被害者本人が許しているのだから、わざわざ国家権力が首を突っ込んで責任追及するのは控えよう」という考えがあることが多いです。

裁判所が勾留期限を4月6日までとしていたのに、それをわざわざ短縮させたわけですから、よほど大きな事情の変化があったのではないかと思うんですよね。

なので、あくまで予想ですが3月末頃の段階で、担当弁護人が被害者とコンタクトを取り示談を成立させて、それを資料として、裁判所に「もうこれ以上勾留する必要はない」旨の意見書を提出し、裁判所はそれをみて勾留を取り消したのではないかと考えています。

今後も捜査は継続される?

釈放されたからといって、必ずしも「不起訴」となったということではありません
勾留はあくまで「逃亡や証拠隠滅のおそれ等がある場合」になされるので、(勾留の必要がなくても)依然として捜査の必要があると検察官が判断した場合は、「処分保留で釈放」するけれども、取調べ等を継続していくこともあります。

ですので、被害者との示談が成立しているか否かにかかわらず、今後も(被疑者は逃げも隠れもしないだろうと判断して)在宅のまま捜査をしていく可能性は十分あります。

その中で、仮に被害者との示談が成立していなかったり、新たな証拠が発見されたりした場合には、被疑者を在宅のまま起訴するということもあります。
その場合、正式な裁判になることもありますし、略式起訴(罰金だけ支払う簡単な手続)で済むこともあると思います。

もちろん今後も、余罪等がないか捜査を進めていくことにはなるかと思います。
その場合には別事案で逮捕、という可能性もありますので、警察には引き続き、被害者の気持ちに配慮して丁寧な捜査をおこなってほしいなと考えています。

弁護士 北川貴啓

慶應義塾大学法学部卒、明治大学法科大学院卒、神奈川県弁護士会(川崎支部)所属

■メディア実績
日本テレビ「実は私こういう者でして…」、フジテレビ「バイキング」、テレビ朝日「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」、TBS「ゴゴスマ」ほか多数

YouTubeチャンネル「SNS弁護士キタガワ」
弁護士キタガワの記事