ゆっくり動画が相次いで収益化停止。クリエイターから悲鳴絶えず「泣き寝入り」

この数カ月はYouTubeにさまざまな規制が加わり、数多くのBAN(アカウント停止)報告や収益化停止が相次いでいます。そんな中、チャンネルの収益化を停止されたYouTuberが「判断は不当である」とYouTubeに異議申し立てをしました。
 

科学の解説が「価値のないコンテンツ」と判断される

今回異議申し立てをしたのは「コタツ研究所」(登録者数2万人)という動画クリエイター。

コタツ研究所は、「科学を身近に」をテーマに身近な現象から、理論を解説する教育的価値のある科学チャンネルです!
敬遠しがちな、科学を面白おかしく、分かりやすく解説していきます。(「コタツ研究所」チャンネル概要より)

多くの人が「当たり前」と思いつつも実は「十分に理解していない」科学を、火やメントスコーラといった身近な現象やコンテンツから詳しく掘り下げていく動画を投稿しています。
 

 
そんなコタツ研究所ですが、2019年4月に

「教育的または他の価値のない視聴回数を増やすだけが目的の大量生産コンテンツ」

であるとして、収益化が停止させられてしまったと報告しています。
これについて、コタツ研究所はYouTubeに対して異議申し立てを行い、そのことを記事にして公開しました。
(参考記事:コタツ研究所「ゆっくり解説が収益化停止されたので、Youtubeに問い合わせてみた まとめ&今後の方針」)
 

自身の動画を振り返る

こたつ研究所はまず、自身の投稿する動画について振り返り、

私は、私なりに「身近なハズな科学」を「本当に身近なもの」にするために、知恵を絞り、動画で解説してきたはずなんだ。。視聴者の皆さんから10分という貴重な時間を頂いている立場として、10分間に必要な情報を凝縮して、楽しく科学を学べるように動画を作っているはずなんだ。。

と自身の動画の教育的価値について考察したうえで、「教育的または他の価値のない視聴回数を増やすだけが目的の大量生産コンテンツ」に分類されることは理不尽であると主張します。
 

アルゴリズムの誤認は「仕方ない」

次にコタツ研究所は、今回の収益化停止を、管理者としてのYouTube側の視点で把握することを試みています。

過去のデータから、現在のYouTubeでは1日あたり「4年」に匹敵する時間の動画が投稿されていることを予測。

こんな膨大なデータを人間の目で見て評価し、管理するなんてことは現実的ではないので、
結果として「何らかの自動アルゴリズム」に基づいて判断を下すAIのようなものに頼らざる負えません。

なので、機械学習にて「YouTubeが有害であると判断したコンテンツを学ばせた学習アルゴリズム」みたいなものが存在し、この学習アルゴリズムを通すことによって識別していると考えられます。(あくまでも私の予測です。)

膨大なデータを評価する「アルゴリズム」の存在を仮定したうえで、このアルゴリズムの誤認に今回の収益化停止の原因があると推測しています。

コタツ研究所は、このアルゴリズム上の誤認については、YouTubeが数多くの動画を掲載する人気のサービスである以上「仕方がない問題」と一定の理解を示しています。本記事の目的についても

YouTubeのクリエイターサポート体制に対する問題定義を目的としており、YouTubeの収益化停止に対して反対しているわけではありません

としている通り、あくまで「クリエイターサポート体制」に対して、論理的に意見を述べることに主眼を置いています。
 

結果は変わらず、泣き寝入り

最終的に、YouTubeにいくら異議申し立てをしても、

今回の件は再審査等が行えませんのでご了承下さい。
現状は30日お待ちいただくのみとなっております。

と、収益化停止という結論は覆らなかったとしています。
コタツ研究所は「納得していない」とするものの、泣き寝入りするしかないと諦めています。
 

文字だけ動画のあおりを受けたか

今回の収益化停止の背景には、いわゆる「文字だけ動画」の収益化をめぐる問題も影響していると考えられます。

文字だけ動画とは、掲示板やサイトから引用した文章などを、音楽とともにスクロールさせる動画。昨年から「教育的または他の価値もない視聴回数を増やすだけが目的の大量生産コンテンツ」にあたるとして多くのチャンネルで収益化停止の措置がとられていますが、これはコタツ研究所の措置とも類似しています。
(参考記事:INTERNET Watch「YouTubeで文字だけ動画などの収益化停止が相次ぐ。投稿者は悲鳴も視聴者は歓迎?」)
 

ゆっくり動画だから?

コタツ研究所は記事の中で、音声ソフト「ゆっくり」を活用している動画の多くが収益化停止の対象になっていることも指摘。ゆっくりとは、

「SofTalk」という、フリーのテキスト読み上げソフトウェアで声をつけ(中略)動画にするもの
(dora「『ゆっくり実況プレイ』ってなに?その話題性を徹底研究!」)

で、多くのゆっくり動画クリエイターが収益化停止の憂き目にあっており、対応を余儀なくされています。

かつて収益化が停止されていた「最強のメラ」(登録者数12万人)は、一時は解除されたものの再度停止させられたと話します。

大事件です。
なんかまたしてもこのチャンネル(最強のメラ)がなんの教育的価値もないコンテンツということで収益化が剥奪されました。
一回「このチャンネルには収益の権利がある」って認めておきながら、再び剥奪という。
YouTube運営はツンデレなのかな?
いやツンデレとかじゃなくてヤンデレっすね。
文字通り殺しにきてるもん。(「最強のメラ」コミュニティより)

最強のメラは収益化停止への対応として、サブチャンネルを立ち上げ、そちらで活動を継続しています。

企業関連のゆっくり動画を投稿する「カカチャンネル」(登録者数11万人)は支援サイトを立ち上げることでチャンネルの存続をはかるほか、「Voiceroid」など、ゆっくり以外の音声ソフトに切り替えて対応するYouTuberもいました。

また、同様に収益化停止が解除された「nachanmicrago」(登録者数7.7万人)も、収益化が再認可されても、停止されていた間の補填は「なかった」と報告しています。一度停止させられてしまうと一定の程度の損失からは逃れられず、ゆっくり動画の先行きは厳しいものとなりそうです。

 

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